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スウェーデンの換気システム”
気密性の高い、高断熱・高気密住宅では、2時間毎に、家中すべての
空気を外気と交換し続ける換気(換気回数:0.5回/時)を行う必要があります。

スウェーデンでも日本と同じように第3種換気*が一般的ですが、
省エネ住宅仕様では、第1種換気が常識です。
なぜならば、寒さが厳しい環境ほど、住宅の換気による熱損失が
大きくなってしまうからです。

*排気のみ機械ファンで行う。室内が負圧になるため
 外気は外壁の給気口から自然導入される。

第1種換気とは、排気と給気の両方を機械ファンで行う換気システムのことです。
このシステムであれば、住宅の換気過程で、排気と給気とを一箇所に集められるため、
熱交換器を使えば、排気熱を回収できるのです。

第3種換気システム 第1種換気システム

スウェーデン製熱交換器の性能”
住宅の換気では、冬の場合、例えば、7℃の冷たい外気を常に室内へ取り入れ、
同時に、室内のせっかく暖めた23.1℃の空気を外へ捨てています。
したがって、室内は、7℃の冷気によって温度が下がらないように暖房し、
室温を23.1℃に保っています。つまり、換気風量に対し、7℃の空気を、
23.1℃まで上げる暖房能力が必要です。

これに対し、熱交換器を使うと、外へ捨てていた空気(排気)から
熱だけをかなり回収できます。その回収率(熱交換率)は、なんと84%*! 
ほとんどの熱を回収できています。

アルミ製熱交換素子 *スウェーデン国立試験場(SP)
 による測定結果
 (TemoVex : Intyg nr 7912.87)
 モデル平均84%、最大87%

測定値で見ると、23.1℃の排気熱で、
7℃の外気を、なんと22.9℃まで
上げてしまう程なのです。
その結果、

「7℃の空気を、23.1℃まで上げる暖房能力」ではなく、
「22.9℃の空気を、23.1℃まで上げる暖房能力」で済みます。

いかに省エネになるか一目瞭然ですね。
これがスウェーデン製熱交換器の性能です。

第1種換気システム

アルミ製の熱交換素子”
住宅の換気において、熱交換器を使えば、こんなにも熱回収が可能です。
日本製の換気システムでも熱交換型があって、その回収率は、75%程度と、
やはり高い値です。しかし、スウェーデン製と違うのは、日本の換気システムでは、
トイレや浴室など、湿気や汚臭のある空気を熱交換器に取り込めないため、
これらの空気はそのまま外へ捨てています。

これらの空気からも排気熱を回収すれば、省エネになるのに、
一体どうしてなのでしょうか?・・・

実は、同じ熱交換器でも、スウェーデン製と日本製とでは、異なった構造を
しているのです。スウェーデン製は、熱交換素子がアルミ製で、顕熱型。
これに対し、日本製は、紙製で、全熱型なのです。

顕熱*(けんねつ)型では、空気同士がアルミの壁によって
お互いに全く混じり合うことなく、熱だけを受け渡します。

全熱型では、空気同士が、紙の壁によって仕切られているため、
熱だけでなく、水蒸気も受け渡します。なぜなら、水蒸気にも
潜熱*(せんねつ)といった熱が含まれているため、日本では、
この熱もすべて回収しよう!といった考えです(メリット)。

*顕熱(けんねつ):物質の温度を変化させるのに必要な熱のこと
*潜熱(せんねつ):物質の状態を変化させるのに必要な熱のこと
(水から水蒸気など)
*全熱(ぜんねつ):顕熱+潜熱

一方で、デメリットは、水蒸気と一緒に、匂い(汚臭や香り)も
受け渡してしまうのです。どういうことかというと、例えば、
トイレの汚臭が、熱交換器で新鮮外気に受け渡され、寝室へ給気した
空気からトイレの汚臭の匂いがする・・・といった現状が起こって
しまいます。また、紙の熱交換素子は、過度な湿気に弱いので、
結局、トイレや浴室からの空気は取り込めないわけです。


キャビネット型の熱交換機”
日本では、エアコンや換気システムを天井など、見えない箇所に
「格納」しています。しかし、スウェーデンの熱交換機は、
見た目が冷蔵庫のようなキャビネット型で、家事室や専用の収納室
(換気室)に設置されています(床に設置)。

熱交換機を、床でなく、天井に設置すれば、
その分、床面積も広く取れるのに・・・と思いますよね。

しかし、スウェーデンの熱交換機は、メンテナンスし易いように
床に設置しています。メンテナンスとは、日常のお手入れだと、
フィルターの掃除や交換、熱交換器の洗浄などです。
住宅の換気(住環境)を担う熱交換機は、それだけ重要で、
高断熱・高気密住宅では、生活に密着した「設備」でもあるのです。


フィルターの性能と容量”
熱交換機には、外からの給気と、室内からの排気とが
一箇所に集まるため、ここにフィルターを設置すれば、ゴミや埃、
汚染物質などを合理的に取り除けます。

キャビネット型の熱交換機であれば、大容量のフィルターが使えます。
その大きさは、30cm程度もあり、給気用と排気用、
二つの大容量フィルターが設置されています。

給気フィルターは、外気導入後すぐに設置され、外気のゴミや埃、
虫、煤煙などを取り除きます。排気フィルターは、室内からの排気が、
熱交換器へ流れる直前に設置され、室内のゴミや埃を回収し、
熱交換素子の汚れ防止にもなっています。最近では、花粉やPM2.5など
までも取り除く高性能フィルターが標準装備されています。


スパイラルダクトによるダクトシステム”
熱交換機には、4本のダクト(菅)が接続されています。
新鮮外気導入菅、室内への給気菅、室内からの排気菅、
そして屋外への排気菅です。

換気システムは、熱交換機とこれらのダクトシステムによって
成り立っています。熱交換機は、それぞれの空気をファンで送風し、
熱交換し、フィルターで汚れを除去します。

ダクトシステムは、外から空気を取り込み、各部屋(給気ゾーン)へ
空気を配り、各部屋(排気ゾーン)から空気を回収し、
最後に、空気を屋外へと流しています。ダクトシステムは、かなりの
長さになるので、できるだけ空気抵抗の低い形状と材質にしないと、
ファンの消費電力が増えてしまいます。

そのため、スウェーデンのダクトシステムは、
スパイラルダクトを使っています。スパイラルダクトは空気抵抗が
極端に少なく、汚れが付着しにくく、耐久性があります(メリット)。

ダクトシステム
その反面、デメリットは、ダクトの菅径が大きい事です。
換気風量によりますが、一般住宅で使われる菅径は、
直径が160mm、125mm、100mmです。
ダクトシステムは、しっかりと設計して、天井での配管スペースや
部屋にPS(パイプスペース)を確保する必要があります。

したがって、換気システム用の空間が必要になるため、その分、
床面積や住空間が狭くなってしまいます。しかし、
キャビネット型の熱交換機と同じように、ダクトシステムは、
高断熱・高気密住宅において、それほど重要な「設備」なのです。


暖房・冷房ユニットの組み合わせ”
スウェーデンの熱交換機とスパイラルダクトによる
ダクトシステムによって、理想的な換気システムが構築されます。
しかし、換気システムは、住宅の換気をできるだけ少ないエネルギー
(ファンの消費電力)で運転しながら、換気による熱損失を
最小限に抑える(熱交換器)ものです。

したがって、冬であれば、住宅内部に熱源がないと、
室内は外気温へと近づき、夏であれば、何か冷やすものがないと、
やはり暑い外気温へと近づき、快適な温湿度環境を保てません。

そこで、このスウェーデンの換気システムがベースにあれば、
家中すべての暖房と冷房を最も効率よく実現できます。

例えば、暖房なら、簡易的なものでは、ルームエアコンを
給気ゾーンへ設置、又は、熱交換後で各部屋(給気ゾーン)へ配る前の所で、
暖房ユニットを通します。そうすれば、ここ一箇所で、全室暖房になります。
暖房ユニットは色々な選択肢があって、電気ヒーターや電気やガスの
ヒートポンプ、温水などを組み合わせます。

冷房であれば、ルームエアコンを給気ゾーンへ設置、又は、
暖房と同じように同じ箇所で、冷房ユニットを通します。
冷房ユニットで給気の余分な湿気を取り、温度を下げ、
各部屋(給気ゾーン)へ配り全室冷房となる仕組みです。

この他、温水パネルヒーターや冷水パネルクーラーを併用して
暖房や冷房(除湿)する方法もあります。
このように、暖房・冷房ユニットの組み合わせは、アイデア次第です。
最も重要なことは、高断熱・高気密住宅においては、このような
換気システムをベースにしっかりと構築しておくことなのです。


給気ゾーンと排気ゾーン”
スウェーデンの換気システムでは、
家の中を給気ゾーンと排気ゾーンとに分けています。

給気ゾーンは、新鮮空気を給気するエリアで、
寝室やリビング、ダイニング等です。

排気ゾーンは、室内の空気を回収するエリアで、
トイレや浴室、キッチン等です。

こうすることで、家の中の空気は、給気ゾーンから排気ゾーンへ
と流れて行きます。日本では、一つの部屋で、給気と排気とを
設置する場合がありますが、スウェーデンの考えは、
一つの家全体で換気することが前提だからです。

空気は常に、給気ゾーンから排気ゾーンへと流れることが
わかっていれば、いろいろなメリットがあります。

例えば、冬の場合、給気ゾーンへ熱源を設置すれば、
暖められた空気は排気ゾーンへと流れていくため、
排気ゾーンは、熱源を与えなくても比較的暖かくなります。
夏の場合も同じですね。給気ゾーンで冷房すれば、
全室冷房に近い温湿度環境が実現できるというわけです。

この考えは、床暖房にも応用できます。
例えば、床下空間を排気ゾーンとすれば、室内の暖かい空気が、
一度床下へ送られてから排気されていきます。こうすることで、
床暖房でなくても、床が冷たくなることはありません。


湿度のコントロール”
スウェーデンのような顕熱型の換気システムでは、冬場に、
室内が異常に乾燥する状態が起こり得ます。これは、冬の外気自体が
乾燥していることに加えて、日本製の熱交換器のように、
室内で発生した水蒸気は回収できずに、外へ捨てているからです。

これは一つのデメリットですが、スウェーデンでは、
どのように対処しているかというと、加湿器を使っています。
そして、加湿器は、給気ゾーンへ置くのです。

そうするとどうなるか?・・・もうおわかりですね!
給気ゾーンへ加湿された空気は、排気ゾーンへと流れていくため、
これまた全室加湿に近い状態が実現できるというわけです。





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